活動・日記
くすりにたよらない精神医学(現場編)
くすりにたよらない精神医学(現場編)という本を読んでいます。
リトルプラス青井です。
先日、そういうクライアントのニーズもあり、書店にて購入。監修者の一人でもある精神科医松本先生は学会で講義を聞いたことがありました。もうだいぶ前のアディクション関係の講義だったと記憶しております。
本の内容は我々医療者から見るとなかなかに刺激的です。
当たり前と思い日々やっていることも、そうではないという視点に立って見る必要性や重要性に気がつくようなそんな本ではないかと思います。もちろん、当事者が読んでもいいのではないでしょうか。
前提として薬物療法を全て否定しているわけではもちろんありません。必要な方には必要であることも書かれています。有用であることも。その前提の中で、、、
・・・ 精神医学外からも、ひろくメンタルヘルスケアに携わる方々に参加していただきました。ユーザーの価値観が多用である以上、治療文化も多用であるべきです。新たなニーズに適合するするために、新たなサービスも生まれつつあります。すでに「くすりにたよらない」だけではなく、「精神医学にたよらない」ことも求められる時代です。失望を覚悟で精神医学に期待するのではなく、精神医学の外に独自の治療文化をつくってしまえばいいのです。そのような観点から・・・
私は精神医学を語れるほどの知識もありませんし、臨床の経験もたくさんはありません。
しかし、こうした本によりもしかすると二次的にでも救われる人がいるのかなと思い紹介してみました。あるいは、自身の治療観をより一層に熟考する治療者、医療従事者もいるかもしれません。
各章は医師はもちろん、医療従事者全般、事業家も出てきています。それぞれの経験から語られる「くすりにたよらない何か」を結構ストレートに表現されています。現場編とのことで、種々のアプローチを各界の人が書いています。くすりだけじゃないアプローチですね。
特に私は産業医の先生の文章が面白く勉強になりました(「くすりにたよれない産業医学の超実践」)。この中で健康生成論と疾病生成論の違いの解説はなかなかに面白いですね。少し自虐的な文章もすっと入ってきます。クスッと笑えます。
他にも「眠れないあなたのための快眠の技術(深部体温リズムってご存知でしょうか)」や「生き延びるためのヘルス・ネットリテラシー(エビデンスレベルの話が勉強になりました)」なんていう章も。うさんくさく感じる表題?!いやいや、なかなか面白く読めます。
もちろん、全ての人におすすめかというと??ですが、医療関係者、特に長く精神医学に携わっている方にはヒットする内容ではないかと思います。各章短い文章で構成されています。ここから何かを読み取って、紹介されていることを自分なりに調べてみるのもいいかと思います。
ちなみにシリーズで「くすりにたよらない精神医学(よくしゃべる精神科医の会(編))」というのもあります。よく喋る精神科医の会。会の名前がすでにユニークですね。
さて、今日のリトルプラスもたくさんの研修生と卒業生、そして見学者(今日は別機関の支援者も)。みなさん、玉野市はもちろん岡山市や倉敷市などからお越しになっています。
卒業生はそれぞれの近況の報告や他愛もない話も。みなさん、復職・再就職してからいろいろあるようですけれども、こうして集って笑顔になれることがストレスコーピングになっているのではないかと、みなさんの横顔を見ながら思いました。これもまた〇〇にたよらない、ひとつの治療文化なのかもしれません。
Little Plus、たよれる場所でありたいと思います。
この記事の投稿者
PROFILE
公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士
青井 洸
Kou Aoi