50代 男性
「リトルプラスの1年間」
「リトルプラスの1年間」
3度目の休職に入り、「もうここしかない!」と思って通い始めて、あっという間の1年間。ここでは、親身になってくれるスタッフや共感し合える研修生の皆さんなど、多くの人達と知り合うことができました。人生の休み時間に、「うつ」という縁で偶然出会った皆さんは、私にとってかけがえのない人達となりました。そんな人達との思い出のプログラムの一部を紹介します。
CBGTでは、研修生皆で認知行動療法に取り組みました。入所当初はネガティブに染まっていて、「いいことなんか何もない」と感じていましたが、スタッフの明るいリードで、この1週間に有った「良かった事」を皆で出し合っていくうちに、だんだん楽しい気分になる自分が居ました。
クッキングは全員のチームワークで、綿密な計画を立てて、時間通りに美味しいものが出来上がったときの達成感を味わえました。
哲学カフェでは、テーマに対する自分の思いを素直に出すことができました。同時に、他者の違う角度からのものの見方も興味深く聞くことができ、哲学の面白さに目覚めました。卒業後も機会があれば哲学したいと思っています。
擬似職場負荷トレーニングでは、夏祭り、デイサービスの敬老会やクリスマス会、絵本の製作、運動会などの企画運営に挑戦しました。中でも、お年寄りが本気で笑って喜んでくれたのは印象深く、「やってよかった」と思えました。
毎月末恒例のパワーポイントによる研究発表会では、ひとつのテーマをもらって、一月かけて研究発表します。入所当初には先輩の発表を見て、パワーポイントを使ったことのない自分には「到底無理…」と思っていました。でも、研修生同士で教えあい競い合って、時には共同で取り組んでいくうちに試練を乗り越えて初めて得ることのできる喜びを思い出せました。そして、時々光る仲間の個性に触れることもできました。今では仕事でパワーポイントを使うときが来るのが楽しみです。
卒業間近に受けたIMRは、再発しないための最終確認のような講義となりました。研修生同士でしか分かり合えない症状の共有や考え方を出し合うことで、様々な気付きがあり、復帰に向けて背中を押してもらえた気がします。
ここで過ごした1年は、人生の中で最も濃密な1年間になりました。今後は、多くの思い出と成果を糧にして、再発しないよう自分をしっかり見つめながら、社会に根を降ろし、リトルプラスのOBとして誇りを持って生きていきたいと思います。