40代 男性
こういったリワーク施設があることすら知らず、見つけてくれたのも妻でした
1. 入所まで
リトルプラスに来るまでは、こういったリワーク施設があることすら知らず、見つけてくれたのも妻でした。
それまでの自分は少し調子が良くなってはすぐに仕事を再開し、しばらくするとまた不調に陥り仕事ができなくなってしまうという悪いサイクルを繰り返しており、自分で自分のことが日に日に嫌になっていました。
そういった中で、妻がリトルプラスに問い合わせをしてくれ、7月の初めに見学体験をしました。
体験は緊張しながらも無事終わり、「さあ、通ってみよう!」とその場では思うのですが、いざ、家に戻ってみると、スタッフの方や既に通所されている研修生の輪の中に入っていくのが怖いのです。
感覚としては、外出して買い物をしたりする時の人ゴミでは平気なのに、ある特定の既に出来上がってるコミュニティには怖くて入っていけないという感じです。
当然ながら誰が悪いわけでもないのに、今から覚えれば異常なほどこういったことを恐れていました。
こんな状態が2~3週間続いていた頃、ある日、妻が「自分が興味があったり、面白そうなプログラムだけでも行ってみたらどう?」と言われました。
自分もこのままではいけないと思っていたので、プログラムの中から「プロフェッショナル講座」を選んで行く事にしました。
ちなみにこの時も、まだ妻に付き添ってもらっての参加でした。
そして、奇跡は起こりました。
この講座を聴講して、自分自身が変わるきっかけを掴むことができました。
自分とほぼ年齢の変わらないプロ選手の生の声を聴くことができ、その方が現役で頑張ってらっしゃることに感銘を受け、胸が高鳴りました。
「事実は小説よりも奇なり」とでも言うのでしょうか。だんだんと勇気みたいなものが湧いてきて、明日から通うことをスタッフさんに告げて家路に着きました。
2. 毎日の積み重ねで皆勤賞
7月も後半に差し掛かった講座の翌日、初めて1人でリトルプラスに来ることができました。
スタッフのみなさんに温かく出迎えていただき、とてもありがたかったです。
研修生のみなさんも話しかけてくださったり、一緒にお昼ご飯を食べたりと楽しい時間がだんだんと増えていきました。
あれだけ人を恐れていた自分が嘘のようでした。
それからは、日々、色々なプログラムをこなしていきました。
メンタル系では、「SST」「集団認知行動療法」「ストレスマネジメント」など
自分の思い出したくないことを出さなくてはいけない時もあり、正直つらかった部分もありました。
ですが、自分の症状や思考のクセを再認識できるいい機会になりました。
実践系(仕事復帰に備えて)では、「オフィスワーク」「擬似職場負荷トレーニング」「学ぶ会」など
PCを主に使い、初めてする作業などもありましたが、別に失敗しても構わないのだからと思えるようになり、とにかく色んなことにチャレンジしていきました。
リラックス系では、「ルースィーダットン」「運動療法」「メンタルミュージック」「映画」など
汗をかいたり大笑いしたり時には泣いたりで、自分の気持ちを素直に開放することができました。
そうして、日々、こういった時間を過ごしていった結果、8月は「皆勤賞」を取ることができました。
ちゃんとした表彰もしていただいて本当にうれしかったです。
そして改めて思いました。
これは自分1人の力だけで取れた訳ではないのだと。
家族、スタッフのみなさん、研修生のみなさんの支えがあったからこそなのだと。
本当に「感謝」。この気持ちは、一生忘れることはないだろうと思っています。
3. 再就職のチャンスが来る
ある日のこと、妻がハローワークで1枚の案内をもらって帰ってきました。
その内容は、9月初めに岡山市内で、障がい者向けの合同面接会が県主催で行われるとの内容でした。
妻と話し合い、徐々に体調も回復していたので参加するだけでも行ってみようということになりました。
すぐに担当のスタッフさんに相談をしました。
そして、スタッフさんからも全面的にサポートしていただけることになり、履歴書や職務経歴書、病歴など、今までの自分を参加企業に理解してもらうために一生懸命、資料を作成しました。
それにプラスして、スタッフさんからは勿体無いくらいの推薦状も書いていただきました。
もう準備としてやるだけのことはやった。あとは本番あるのみでした。
そして、合同面接会の当日を迎えました。
私の他に2名の研修生、スタッフさん、合計4名で面接会場へいざ出陣です。
現場では十数社の企業が来ており、また、面接者は約60名程の参加人数でした。
私は、合計4社の企業と面接をさせていただき、あとは後日、結果を待つのみとなりました。
そして数日後、1社から連絡があり、職場見学も兼ねた2次面接に行くことになりました。
その結果、無事、内定をいただくことができました。
翌日にリトルプラスで報告をすると、スタッフのみなさん、研修生のみなさんも、とても喜んでくださいました。
ここでまた、ひとつの言葉が浮かびました「感謝」です。
これは自分1人の力だけで取れた訳ではないのだと。
家族、スタッフのみなさん、研修生のみなさんの支えがあったからこそなのだと。
また、別の研修生の方も内定をいただいたことを知り、まるで自分事のようにうれしかったです。
本当に私は幸せ者...だと、つくづく感じました。
4. そして卒業
約2年もの間、「うつ病」で苦しみ、一時期は本当に死にたいとまで考えていました。
リトルプラスに通うまでは、毎日、パソコンの前に居座り、延々と無駄な時間を費やす日々でした。
そんな私がリトルプラスに通ったおかげで、まだ「うつ病」そのものが完治してるとは言えませんが、ここまで変わることができました。
決して大袈裟なことではなく、人間、本当に何がきっかけで人生が変わるかわかりません。
もし、私みたいな人間でも卒業生として何か言い残せるとしたら、「人と関わりを持ってください」と言いたいです。
嫌いな人と会う必要はありません。今まで仲が良かった人でもいいですし、新たな出会いを持つこともすごく重要だと思っています。
ぜひ、人と関わって、何か「きっかけ」を掴んでほしいと思います。
あせらなくてもいいです。
今、ご自身ができる範囲のスピードで。
そこに新たな可能性が必ずあります。
最後になりましたが、私は年齢が47歳です。
ねっ! こんなオッサンでもやれるんだって思ったでしょ! 人間捨てたもんじゃないでしょ!
仕事を始めてからの近況は、また改めてご報告させていただこうと思います。
それでは、みなさんに「感謝!」本当にどうもありがとうございました。