20代 男性
リトルプラスを使って良かったと思うこと
私が病院で「適応障害・うつ状態」の診断を受けたのは5年も前のことになります。それ以来人生には常にうつのしんどさ、不安、見えない未来が付きまとっていました。何度働こうとしても上手くいかず、傷を広げて落ち込んでいてばかりで。特に、診断が出た頃についてしまった、「無理と言えない」「マイナスの本音を言うことができない」という癖には苦しみ続けました。
前の職場にいた頃からあった、NOと言えない、しんどいことを訴えられない、辛くなるほど口が重くなり本音を話せなくなる自分と向き合うことができず、自分の狭い世界を意固地になって守ろうとしていました。
そんな私は現在、通所を本格的に始めてから5か月ほどになります。今年の2月頃に親が付き添ってくれた時に体験に訪れ、その後張り切りすぎて一時的にお休みをしていたものの、再開後は無理のないペースで通所ができるようになりました。現在は午前中を中心に週3回のペースとなっています。
リトルプラスに通所し始めて強く意識していたのは、「嘘をつかない」ことです。もちろん、施設の皆さんは私が見るからにしんどそうな顔をしていたら心配してくださったでしょう。でも、私はこの文を書いている今も含め、いつの日か社会に戻って誰かの幸せ、地域や社会の何かに貢献したいと思うのです。だから、その時に自分がしんどいという信号を己の力で発せず誤魔化してしまうのが嫌でした。最大限の助けをいただき、それを自分の心の芯からパワーに変えるために、私は「疲れていない」「無理していない」「やれます」と無闇に言うのをやめました。自分の心を隠さずに生きる、それだけで心の中は晴れやかで穏やかで、意思疎通も課題解決もスムーズに進むことに、日々を明るく生きていけることに、この年齢になって気付くことができています。
多くのことが身についているのを実感できるのも、この場所に来てからです。具体的に学んだことで挙げられるのは、自分のストレスを感知したときに「どこからその苛立ちが来たのか?どう体や思考が反応して、緩和するにはどういう手段を用いたらよいのか?」を探る認知行動療法です。嫌なことがあったら、私はこの手段を活用してストレスを書き出したり、発生源の思考を突き止めにかかります。これを職員さんとシェアしながら、ストレスがかかった時の切り替えや緩和に取り組みました。個人的に、上々の手ごたえだったと思います。
生活でも、朝日を浴びることで人は元気を取り戻しやすくなること、自分はイライラしていても歩いていると気分が落ち着くこと、この場所に来て同じ立場の人たちや職員さんたちと話すのが大好きになって、来ないとかえって調子が狂う事、決して世の中の人が冷血で誰も私を好きにならない等ということはない事……数多くの気付けたことがありました。ですが、それはここに来なかったら決して自分の中には生まれなかった考えや思考です。
苦しかった時は、自分のことで精いっぱいで、世界中の人は自分のように苦しんでいないのだから理解してもらえる筈がない、とすら考えていたこともあります。だけど、自分とは違うけれども何かしらのことで傷つき、苦しんでいる人が世界にはいて、自分を助けてくれたり、時に自分が何かに手を貸すことができたり。多くを学ぶことができています。もしこれを読んでいる苦しい方がおられたら、一歩踏み出すことで貴方の助けになることがあると知ってもらえれば、と思います。
最後に、私のリトルプラスでの生活はまだ始まったばかりです。長く社会から離れていた分、しばらくは通所しながら心と体を調整する日々になると思います。それでも焦らず、自分のやれることを一つずつ、私を助けてくれる皆さんと頑張っていけたら嬉しいです。そのために、良い昨日、良い今日、良い明日を送っていこうと思います。
読んでくださった皆さんの昨日・今日・明日にも、幸があることを心より願って。