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メンタルヘルス

ストレスとうまく付き合うために

心理学における『ストレス』

「アロマでストレス解消!!」
「大丈夫?ストレスたまってない?」

私たちは日々、何気なく「ストレス」という言葉を使ったり、耳にしたり、目にしたりします。
日常的によく使う言葉ですが、ストレスって何でしょうか。
ストレスという言葉はもともと物理学で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。それを生物にも応用したのがカナダの生理学者ハンス・セリエ博士(1907-1902)で、心理学では次のようなモデルを使って、ストレスをとらえています。

心理学的ストレスモデル

例えば、「体力仕事が多くて毎日ストレスだ」とか「話が通じない上司がいてストレスだ」の、「体力仕事」や「話が通じない上司」は「ストレス状況(ストレッサー)」になります。そして「ストレス反応」はそういった「ストレス状況」が個人に与える様々な反応(体がだるい、心臓がドキドキする、不安、憂うつ、イライラする、仕事を後回しにする、飲酒量が増えるなど)のことを言います。
「ストレス」を「ストレス状況」と「ストレス反応」に分けて考えることで、自分自身がストレスに感じているその状況と、自分自身の反応を具体的に捉えることができるようになります。

『コーピング』

「コーピング」とはアメリカの心理学者、リチャード・S・ラザルス博士(R.S.Lazarus:1922-2002)が考案し、1980年代から世界中に広まっていった「ストレスへの意図的な対処」を指す心理学用語です。

  • 「上司に部署異動を相談する」
  • 「仕事の帰りにスイーツを買いに行く」
  • 「地元の友人とお酒を飲む」
  • 「アロマをたく」
  • 「仕事の量を減らす」
  • 「休日に漫画を読む」
  • 「バスボムを入れ、お風呂にゆっくりとつかる」
  • 「今日はよく頑張ったと自分を褒める」

など

自分自身のストレス反応を緩和するために、これらの対処を意図的に行ったとするとそれはコーピングです。

心理学では、「コーピングはとにかくたくさん持っていた方がいい」という考え方があります。質より量が大切、ということです。立派なものじゃなくていいから、どんなしょうもないものでも、日常生活の中で実践できる小さなコーピングをできるだけたくさん揃えておいた方が良い、ということです。その理由としては「選べることが大切」だからです。コーピングの数が少ないと、どんなストレスに対しても限られた対処しかできません。もし行ったコーピングに効果がないと、別のコーピングを行うことができず、ストレスがどんどん溜まっていってしまい場合によっては調子を崩したり、問題行動を繰り返したり、様々な影響が生じることもあります。ですので、コーピングをたくさん揃えておき、選べれるようにしておきましょう。

ストレスを感じた時のために、たくさんのコーピングを用意しよう

コーピングを選ぶときは、どれだけお金や時間がかかるのか、健康を害さないか、誰かとの関係が悪化しないかという面を意識するようにしましょう。せっかくのコーピングもお金や時間がかかるものだとなかなか行えないですし、健康を害したり、人間関係が悪化するものはコーピングとしては適当とは言えません。となるとなかなかたくさんのコーピングを用意しておくことは難しいと感じる方もおられるかもしれません。そんな時は「細分化」です。例えば「ビールを飲む」というコーピングをレパートリーに入れたとします。しかし、これだけだとたった一つ。でも、「ビールの香りを楽しむ」も入れたら2つ、「ビールの色を楽しむ」も入れたら3つです。これを「細分化」といいます。「細分化」しておくと例えばビールを飲むことが難しい場面でも、「仕事を終えたらビールを飲もうと考える」というコーピングが使えたり、「冷蔵庫に入っているビールを思い出す」というコーピングが使えたりもします。「細分化」してコーピングを増やしていきましょう。

まとめ

今回は「ストレス」と「コーピング」についてご紹介しました。コーピングは、可能であればメモ用紙などに書き出しておき、いつでも見れる状態にしておくことがおススメです。いつでも見れる状態にしておけば、ストレスを感じた時すぐにコーピングを実施できます。社会生活を送っていく中でストレスを全く無くすことは難しいですが、コーピングを生活の中に取り入れストレスと上手に付き合っていきましょう。

【引用・参考文献】
伊藤絵美著『ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1』医学書院
伊藤絵美著『折れない心がメモ1枚でできる コーピングのやさしい教科書』宝島社

この記事の投稿者

PROFILE

http://資料をもって説明の準備をするスタッフ

公認心理師・臨床心理士

黒川 明宏

Akihiro Kurokawa