活動・日記
抑うつ状態と彩度
【抑うつ状態と彩度】
題名を付け間違えたんじゃ無い?なんて声も聞こえてきそうですが、真面目に書いております。
寒暖が激しく、岡山県ではインフルエンザ警報が発令されたようです。
みなさま如何お過ごしでしょうか?リトルプラス青井です。
日々のリトルプラスの活動やうつ病についての情報を発信しております、スタッフブログ。
卒業生から「毎日見てます。疲れた時に見ると、ホッとしてまた頑張れます」とかいう声を頂きます。
嬉しいですね!
卒業生、研修生、そして今苦しんでいるかもしれない、困っているかもしれない方々の少々のお役に立てれば幸いと思い、更新しています。
さて、今回のお題・・・彩度です、彩度。
英語でいうと「chroma」(クローマ)
下の写真をご覧下さい。
こちら、先日のプログラム「デジカメ散策」である研修生が撮影した写真です。
空が美しい!なんとも言えない雲の表情!雲の合間に見える太陽光線!いいね!
リトルプラス周辺で撮影されました。
みなさんは、どんな風に感じますか?この写真。
では、次に、これを見てください。
同じ写真です。(編集はRAW現像が趣味の青井が行ないました)
同じ写真ですが、ある事が違います。
「彩度」です。
左上から右へ。
最後は右下へ。
最初の方は、彩度は無く、暗く湿ったイメージでしょうか。
途中から、彩度、明度がはっきりとしてきます。
最終的に、自然に見える空の色、雲の影がより鮮明になってきます。
これは彩度(色の鮮やかさ)によるものです。
うつ病をイメージで捉えるのは大変に難しいことです。あえて、挑戦してみます。
症状でいうと、厚生労働省では以下のように説明しています。
(参考HP)
(あくまで例であり参考程度でしょう。専門医の受診がまずは前提かと思います。)
- 抑うつ気分(憂うつ、気分が重い)
- 何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
- 疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚める
- イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない
- 悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる
- 思考力が落ちる
- 死にたくなる
身体のサインは以下のようなものです。
- 食欲がない
- 体がだるい
- 疲れやすい
- 性欲がない
- 頭痛や肩こり
- 動悸
- 胃の不快感
- 便秘がち
- めまい
- 口が渇く
こうした症状が、左上の方のイメージでしょうか。
色彩はなく、彩度は低い。曇ったような、どんよりとした感じ。
活き活きという言葉とはほど遠い感じ。
ちなみに、「精彩を欠く」という言葉もありますよね。
「ぱっとせず、不調な様」という意味です。
少しずつでも、彩度が上がってくるのが、中段のイメージでしょうか。
回復期といえるかもしれません。
この頃は、症状もいったりきたり。3歩進んで2歩下がる。三寒四温。
最後には、彩度を取り戻します。
寛解とはこのあたりでしょう。
再発にも注意が必要ですね。
回復期には、結果として彩度をあげる取り組みが必要となります。
薬物療法、休養、精神療法。これがベーシックなうつ病治療としてあります。
こうした治療法以外に回復期には、職場復帰のための支援をいれることが必要であると考えています。
リワークの中で、リワークに参加する中で、人とふれあう中で、人としゃべる中で、プログラムに参加する中で、見つめ直して行く中で、共に刺激し合い、共に学び合う中で、少しずつ様々な症状が回復されていき…
彩度をあげていく。
結果として上がってくる。
色つやのある生活、彩度の高い生活(あえて言い換えるならばQOLの高さでしょうか)を取り戻すこと。
これが我々の願いでもあります。
ぼんやりとしたイメージで、かつ抽象的ですが、そんな色彩ある生活って、いいですよね。
そのお手伝いをこれからも続けていきます。
さ。彩度についてですが、説明を忘れておりました…笑
彩度は色の鮮やかさの度合いを表す。
明度が高くなると色の純度は高くなり鮮やかな色となる。
色の持っている特性を強調するには彩度を濃くするといい。
逆に彩度が低い場合はグレー色が増していくので色が濁り、個性が薄くなり馴染んで色は落ち着いていく。
彩度がもっとも高い色で白と黒を混食しない色は純色といわれる色。シアン・マゼンタ・イエローの3色が色の三原色の基本となる。
こんなイメージです。
みなさんの彩度は、今、どのあたりですか?
プロジェクターの設定で、全体的に血色の悪い(!)、青みがかった写真を添付して、今日のお題は終えたいと思います・・・
職員研修「精神科専門医によるうつ病総論」(にしても、あおいなあ!笑)
この記事の投稿者
PROFILE
公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士
青井 洸
Kou Aoi