プログラム
レジリエンス(resilience)と心理学
レジリエンス(resilience)と心理学
こんばんは、うつ病リワークリトルプラス青井です。
今日のプログラムは、就活の時間とオフィスワーク。
みなさん、真面目に一生懸命に取り組まれています。
復職と再就職の準備のため、再発予防のため・・・
今日はPCを使う作業が多かった中、強力(協力)な助っ人が来所してくれました。
また後日ご案内できるかとは思いますが、Yさんというその道(PCやネット関連)の専門家です。
いろいろと指導してもらいました。外部からの専門家として協力してくれています。
と、様々な外部講師と連携しているリトルプラスです。
他ではできない体験がたくさんです。
と表題にあります、レジリエンス(resilience)と心理学
表題を書いたはいいが、大きすぎるテーマですね。
(レジリエンスとリトルプラスというテーマの方が良かったかもしれません。書いてから思いました・・・)
昨今、話題といいますかよく聞く言葉です。レジリエンス。
あと、エンパワメントなんかも昔からよく聞きますね。
臨床心理学(金剛出版)という専門書の今月のテーマがレジリエンスでした。
興味深く読みました。
レジリエンス、引用しながら簡単にご説明しますと
心理学の領域では、レジリエンスは「回復力」と訳される場合が多い。
個人の状態は、ストレスやネガティブ・ライフイベントによって大きく影響を受け、心身の健康を損ね、場合によっては長期にわたり健康を取り戻すことができない状況に陥る。しかしながら、同じようなストレウを受けて、必ずしも全員が長期の不健康状態に陥るわけではなく、適応を維持したり、健康を取り戻したりできる人も少なからず存在する。このストレスに対する個人差を明らかにするために導入されたのがレジリエンスという概念である。
(中略)
アメリカ心理学会(APA)はレジリエンスを次のように定義している。
「レジリエンスは逆境、心的外傷体験、悲惨な出来事、脅威などの重大なストレスにうまく適応する過程のことである。重大なストレスの具体例として、家族をはじめとする人間関係の問題、重大な健康問題、職業や経済的なストレスなどが挙げられる。つまり、レジリエンスとは、困難な体験からの「回復」を意味する」(http://www.apa.org/helpcenter/road-resilience.aspx)文献
石垣琢磨(2017)レジリエンス 予防と健康生成のために.臨床心理学101;603-606.
とあります。
なんとなく、イメージができますでしょうか?
アメリカ心理学会の定義において、人間関係、健康問題、職業ストレスや経済的ストレスとありますが、うつ病になると、あるいはその前には、こうしたストレスが高頻度であるいは高強度であるのかもしれません。
そういう状況、状態からレジリエンス、回復する力を頼りに「今の状況をどうにかしたい」「もう繰り返したくない」との想いがリワークを利用するきっかけになるのだろうと思います。
リワークを利用中にも、その人個人のレジリエンスはより強いもの、あるいはブラッシュアップされたものになるかもしれません。
むしろ、「今の状況をどうにかしたい」「もう繰り返したくない」との想いはイコール、レジリエンスそのものなのかもしれません。
また、「うつとレジリエンス」という論文もあります。
気になったのは、以下の文章です。
・・・レジリエンスを高める上で有効性が期待できる介入方策が複数紹介されている。その方策の内容は、1)認知行動療法や実存分析などを通じて逆境に関する新たな意味づけを促すこと、2)マインドフルネス療法や薬物療法によって感情制御を促すこと、3)当事者の支えとなる社会的ネットワークを活性化すること、4)睡眠や運動習慣、食生活を改善し、身体的な健康を促進すること、5)特定の神経伝達物質の働きを活性化させる等の神経生物学的な介入を行う、など・・・
(中略)
「肝心なのは、個人のもつレジリエンスをいかに引き出すかである」「レジリエンスを高めるための介入方法を積極的に組み合わせ、多側面からうつ病の予防と治療を進めて行くべきだ」・・・
(中略)
レジリエンスという概念に着目すれば、うつ病の症状をいかに軽減するかという「有害なものを取り除く」指向性から、個人のもつ健康的な力を引き出し高めて行く指向性へと発想を切り替えやすくなることが期待できる。
(中略)
「症状ばかりに着目せず、クライエントを多側面から全人的に理解しエンパワメントしていく」「クライエントが本来もつ力を最大限発揮できるように、他の専門職やクライエントの周囲の人々と協働しながら多用な資源を活性化させていく」・・・
文献
樫原潤(2017)レジリエンス 予防と健康生成のために.臨床心理学101;618-621.
認知行動療法やマインドフルネスについては、このブログでも幾度も登場しています。リトルプラスでも取り組んでいます。社会的ネットワーク。これは、リトルプラスがその一機関として機能しているようにも思います。この社会的支援のネットワークはまだまだ十分ではありません。これから、色々な形で取り組んでいこうと考えています。
個人の健康な力、あるいは健康になろうとする力を重視することも、とても大切だと思います。その力を患者さん自身は忘れてしまうことも多々見受けられます。研修生同士が、ここリトルプラスで見つけ合う、高め合うことも日常的に見受けられる光景です。一人じゃないこと、一人じゃないと感じることは、回復にはとても大切なことなんじゃないかと改めて思います。
うつ病という病を含めた「困難な体験」、そういう体験からの回復。我々もその回復に立ち会い、支援しています。研修生個人個人がもつレジリエンス、回復力を引き出し、さらに高められるよう今後も取り組んでいきます。
誰もが罹患する可能性のあるうつ病。
だからこそ、レジリエンス(resilience)というキーワードは日頃から大切にしておいていいようにも思います。
さて、長くなってしまいましたし、書きたいことは山ほどあるのですが、レジリエンスのけことはこの辺で。
やはり、「レジリエンス(resilience)とリトルプラス」という表題の方が良かったかもしれません・・・
みなさんの精神的健康に役立つ情報があれば、また書きたいと思います。
あ、レモンですが、元気に育っております。
先日の台風でも、実は落ちずに耐えています!
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この記事の投稿者
PROFILE
公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士
青井 洸
Kou Aoi