うつ病に特化した岡山県玉野市の 職場復帰支援 + 再発予防施設

復職者様の声

20代 男性

この先もなんとなく、どことなく

「この先もなんとなく、どことなく、やっていけると思っています」

 2年間の利用期間を使い切って、私は今リトルプラス卒業を前にこの文章を書いています。2年間、様々なことがありました。良い事がたくさん、大変なこともたくさん、苦い思い出もありますが報われたことはそれ以上に多くを持って卒業することができそうです。職員の皆さん、関わってくださった研修生や地域の皆さんには感謝の気持ちを伝えきれないほど持っています。安定したこの空間を飛び出して社会に戻るということの不安や寂しさは少しありますが、それよりも何故か、私は先のことを楽しみにしているのです。大変なことが山積みだろうに、そう思える自分は不思議なものだと思います。

 自分にとって2年間リトルプラスで一生懸命にやったことは、病気になってから自分の失ったものを取り戻す調整だったり、新しい思考や手法を取り入れていくことで、社会で健康に働いている人なら多かれ少なかれやっていることじゃないのかな?と今も時々思います。でも、そのことにひたすら打ち込んで努力してきた自分がいたことも事実ですし、そういった経験と苦心と喜びを積み重ねてきたからこそ、この先に挑戦できることがあるのを楽しみに思っているのでしょう。2年前の自分だったら絶対にイヤだと拒絶していた気がします。人は変われるといいますが、自分が変わったのを主観でも客観でも感じるのは本当に不思議なことです。

 不安要素を挙げていけばきりがありません。今書いている時点でも両手両足の指で足りないほどでしょう。でもタイトルにある通り、私は「なんとなく、どことなく、やっていける」と思っています。例えばこのリトルプラスの存在を知ったように、私は今世の中に思っているより多くのサポートがあることを知ることができました。マイナスな気持ちを持った時、考え方を変えてプラスの側面を見つけることもできます。あえて、楽観的に考えるように自らをコントロールすることもできるようになりました。そういったことが今私の足を動かし、心を支えてくれています。そして、今の世の中は私のような生きるのが少々難しいと感じることに理解を示してくれる人も大勢いました。通い始めたころと比べると、私の中に重なったリトルのプラス要素はもはや山のようになっててっぺんは見えませんし、数えようとすると星の数ほどあるのではないでしょうか。塵も積もれば山となる、とはよく言ったものです。

 私にとって2年間常に課題だったことは、心と身体、つまり心身の両輪どちらもうまく回すために何をすれば良いのだろう、ということでした。片方がうまくいってても、もう片方がダメだと、あるタイミングで本当にあっけなく脱線します。どこかのタイミングから「崩れることを防ぐのではなく、崩れた後にどう立て直す?」という考え方に至ってからはリカバリーや日頃の細かな防止策、ストレス解消の手段を探り続けました。自慢ではないのですが、今ストレス解消の手段は120個書かれたリストを手元に置いています。ここから先もこのリストは更新し、増やしたり減らしていくことになるでしょう。

 もし、悩んでいてここに来ようか迷われている方がおられたら、あくまで人には人に合うやり方がそれぞれ存在する、という前提を踏まえて、それでもリトルプラスを勧めたいです。私は上記の通り、防止策よりも復旧策を充実させることで心身の充実・安定を目指しましたが、研修生は人それぞれの悩みを抱え、解決法を持ってここに来られています。まさしく十人十色です。押し付けられるのではなく、自分の意思や個性に応じたやり方を見つける手助けをしていただいたからこそ、悩み多き方にここを勧めたい、と思うのです。それでも来るのが怖い方は、一度置いてまたこのことを考えてください。選択肢はいつだって取捨選択できますから。

 私の未来は私自身も含めて誰にもわかりません。この文章を書いたその日の夜にはひどく落ち込んでいるかもしれませんし、何年先にどこにいて何をしているのかもさだかではありません。だけど、今生きていて、生きる為に頑張っていることがとても楽しい、日々を過ごす事ができて嬉しいと思えているからこそ、不安よりも楽しみが先にあります。まあ、多かれ少なかれやらかすこともあるのでしょうけれど、生きていればどうにかなると信じています。だから、考え込まない程度に考え、頑張り過ぎない程度に頑張り、マイペースに生きるつもりです。

 この文章を読んでくださった方も含め、多くの方に幸運があることを願うばかりです。そして、私も時々この文章を読みにホームページを訪れ、書いたこの日の自分に元気をもらい、頑張っていこうと思います。2年もの間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。